ここでは、3つ以上の数の「公倍数(こうばいすう)」と「公約数(こうやくすう)」について考えよう。
3つ以上の数の公倍数と最小公倍数
公倍数を考えるときには、素因数分解を使って計算したよね。
2つの数の最小公倍数は「公倍数・公約数の計算」の「最小公倍数を計算する」で計算したね。
3つ以上の数のときも、同じ考え方で計算すればいいんだ。
次の問題を考えよう。
さあ、考えよう。
この問題をカッコよく答えるには、2と3と4の最小公倍数を考えればいいよね。
なぜなら、最小公倍数の倍数が、2と3と4の公倍数になるんだったよね。
最小公倍数を計算するには、2と3と4を素因数分解して、最小公倍数がそれらの素因数を含んでいればいいんだよね。
「2」は素数だね。
だから、最小公倍数には「2」を含んでなければならないよね。
「3」は素数だね。
だから、最小公倍数には「3」を含んでなければならないよね。
「4」は素因数分解すると、「2×2」だね。
だから、最小公倍数には「2×2」を含んでなければならないよね。
上の3つをまとめると、最小公倍数は「2×3×2」になるから、最小公倍数は「12」だね。
答えは最小公倍数である12の倍数になるから、
答え)
12、24、36、48、60。
3つ以上の数の公約数と最大公約数
公約数を考えるときには、素因数分解を使って計算したよね。
2つの数の最大公約数は「公倍数・公約数の計算」の「公約数と最大公約数を計算する」で計算したね。
3つ以上の数のときも、同じ考え方で計算すればいいんだ。
次の問題を考えよう。
さあ、考えよう。
この問題をカッコよく答えるには、まずは公約数を計算して、公約数の中で一番大きな数、つまり、最大公約数を計算すればいいよね。
公約数を考えるには、24と32と36をそれぞれ素因数分解して、いずれの数にも含まれている素因数を書き出していけばいいよね。
「24」を素因数分解すると「2×2×2×3」だね。
「32」を素因数分解すると「2×2×2×2×2」だね。
「36」を素因数分解すると「2×2×3×3」だね。
いずれの数にも含まれている素因数は、2が二つだね。
だから公約数は、1と、二つの2を使ってできる数だね。
公約数は小さい順に、
2
2×2=4
最大公約数は、公約数で一番大きな数だから「4」だね。
だから、答えは、
答え)
4
最大公約数をひっ算で計算してみよう。
次の問題を考えよう。
素因数分解のひっ算と同じように計算するよ。
ただし、公約数を計算する数字を横に並べるんだ。
つぎに、並べた全部の数が、割り切れる数で素因数分解していくんだ。
割り切れる数を探すときは、小さな数から考えていくと計算しやすいね。
2で割り切れるかな?...12と16と32は2で割り切れるね。
だから、
になるね。
次はどうだろう?
また、2で割り切れるかな?...6と8と16は2で割り切れるね。
だから、
になるね。
次はどうだろう?
3と4と8を割り切れる数はあるかな?
そう、もうこれ以上は素因数分解できないね。
最大公約数は、ひっ算の左側にある数(下の赤色の数)、をかけ算した数なんだ。
最大公約数は、2×2=4、だ。
だから、答えは、
答え)
4
ちなみに、左側の数を組み合わせてかけ算した数が、公約数になるよ。
12と16と32の公約数は、1と2を二つ組み合わせてできる数だから、
2
2×2=4
「1」はひっ算には含まれていないけど、公約数だから忘れずに書こう。