ここでは、「等速直線運動」を考えよう。
「等速直線運動」ってなぁに?
物の動き方は、いろいろあるよね。
野球の投手は、ボールを投げるときに、カーブやスライダー、チェンジアップと、ボールの投げ方がいろいろあるよね。
車やバスに乗っていると、右に曲がったり、信号に止まったり。
飛行機に乗ると、滑走路の端からエンジンを動かして、すごいスピードが出ていると思ったら、ふわっと空を飛ぶよね。
どれも、物、ボールとか、乗り物とか、が動いているよね。
そのほかもいっぱいあるよね。
いっぱい考えると複雑になるので、単純な動きを考えてみよう。
物の単純な動きを考えたいので、身近には起こりえないくらい、とても簡単な状況を仮定して考えよう。
まず、重力があると、物が落ちる(引っ張られる)から、重力がない環境を考えよう。
つぎに、空気があると、空気から力を受けるから、空気がない環境を考えよう。例えば風が吹くと、傘が吹き飛ばされたりするよね。
そのほかにも、全部なくして、なにもない環境を考えてみよう。
そして、そこにテニスボールを1個だけ置いていることを考えよう。
テニスボールでなくても、野球のボール、ラグビーのボール、なんでもいいよ。
ボールは動くかな?
ボールは動かないよね。重力も風も何もないところで、だれもボールに触っていないのに、ボールが動くのは変だよね。。。
つまり、
では、次に、さっきと同じなにもない環境の中で、動いている物体について考えてみよう。
アイススケートやカーリングのストーンを考えてみよう。氷の上をすべると、なかなか止まらないよね。
自転車を考えてみよう。自転車も漕がなくても進むねよ。
なんでだろう?
それじゃあ逆に、なぜ、スケートやカーリングのストーン、自転車は何もしなくても、止まるのだろう?
スケートや自転車の場合は、何もしないと、次第にスピードが遅くなって、止まってしまうよね。
これは、スケート靴と氷との間位に摩擦力が働いて、止まってしまうんだね。
自転車の場合はタイヤが回るときのホイールとフレームとの間の力や、タイヤと道路との間の力が働いて、止まってしまうんだね。
その他にも人が空気から受ける力、によって止まってしまうと考えられるよね。
そう、何かしらの力が働いているから、止まってしまうんだね。
では、自転車に乗って進んでいるときに、漕がないし、摩擦もなく、風の抵抗もなかったら、どうなるのかな?
そう、さっきボールで考えたように、そのほかにも全部なくして考えてみよう。
進んでいる自転車は、止まってしまうかな? 曲がってしまうかな?
止まるには、進んでいる自転車を止める力が要るよね? でも今は何の力も考えないから、止まらないよね。
では、曲がるかな? 曲がるにはハンドルを倒すけど、倒すには力がいるよね。今は何の力も考えないから、ハンドルも倒れないから、曲がらないよね。
曲がるには体を移動する、って? でも、体を移動するには力が要るよね。今は何の力も考えないから、体も移動できないね。
そう、何の力もないときは、進んでいる自転車はそのまま進み続けるよね。
速くもならないし、遅くもならない。だから、止まらないし、曲がらない。
同じ速度で、まっすぐに進むだけ。
そう、「等速」で「直線」に進むんだね。そう、「等速直線運動」だね。
「等速直線運動」は、物が同じ速さでまっすぐに進んでいることなんだね。
そして、物には何も力が働いていないんだね。
このように、物体が力を受けない限りは、その状態を維持し続けることを
「運動の第一法則」は止まっている物体だけなく、等速直線運動している物体にも当てはまるんだね。
地上では、重力とかいろんな力が働いているけど、まずは他に力がない単純な環境を考えて、物の動きを考えてみよう。
それから、徐々に、いろんな力が加わった場合のことを、考えていこう。
では、最後に、物体の運動を式で表してみよう。
まずは、数直線上に、ボールがおいてあり、ボールが動いていないときを考えよう。
ボールを置いている場所を原点O(x=0)とすると、ボールの位置は x=0 であり、速度 v=0 だね。
図で書くとこんな感じかな。
つぎに、数直線上に、ボールがおいてあり、ボールが x のプラス方向に、2m/s で動いているときを考えよう。
図で書くとこんな感じかな。
0秒のとき(はじめのとき)、ボールが置いてある位置を原点O(x=0)として書いているよ。
1秒後には、ボールの位置は 原点から 2m 離れた位置にあるね。
図で書くとこんな感じかな。
2秒後には原点から 4m(2m/s × 2秒 = 4m)離れた位置、5秒後には原点から 10m(2m/s × 5秒 = 10m)離れた位置にあるね。
速度はずっと同じだから、0秒のときも、1秒後も、それ以降も変わらず 2m/s だね。
式で書くと、
t秒後の速度 v は、v = 2 (m/s)
「慣性の法則」は物体に力を加えない環境を考えているので、ボールが止まっている場合は、ボールの位置は位置は変わらないね。
そして、速度は 0 のままだね。
ボールが動いている場合は、ボールは一定の速度で進むよね。速度は変化しないよね。
説明はここでおわりだよ。
物の動き方は、昔から考えていた人がいるけれど、アイザック・ニュートンは物の動きを整理して、 3つの運動の法則
・第一法則(慣性の法則)
・第二法則(ニュートンの運動方程式)
・第三法則(作用反作用の法則)
にまとめたんだ。