物理をしよう

ACTABAのホームページ

TOP > 等加速度直線運動

見出し

ここでは、「等加速度直線運動」を考えよう。

「等加速度直線運動」ってなぁに?

物の動き方は、いろいろあるよね。
野球の投手は、ボールを投げるときに、カーブやスライダー、チェンジアップと、ボールの投げ方がいろいろあるよね。
車やバスに乗っていると、右に曲がったり、信号に止まったり。
飛行機に乗ると、滑走路の端からエンジンを動かして、すごいスピードが出ていると思ったら、ふわっと空を飛ぶよね。
そのほかもいっぱいあるよね。
では、「等加速度直線運動」ってどんなだろう。

たとえば、信号で自動車が停止しているとしよう。
このときの自動車の速度は、止まっているから 0m/s だよね。
信号が青に変わって、自動車が 10秒後 に 時速36km になったとしよう。
このときの自動車の秒速は、10m/s だよね。

自動車の速度は 0m/s から 10m/s に変わったけど、どんな風に速度が変わったのかな?
色んな変わり方が考えられるね。
図で書くとこんな感じかな。



縦軸が速度で、横軸が時間だよ。
どれも 10秒後 には速度が 10m/s になっているね。
どれが「等加速度直線運動」だろう。
ところで「等加速度」ってなんだろう。



速度を思い出してみよう。

「速度」は「1秒あたりに進む距離」
だよね。例えば、1秒間で移動した距離が3メートルの場合は、速度は3m/sだね。
速度が3m/sの場合は、はじめ 0m の位置にいた場合は、1秒後には 3m 進んだ位置になるんだよね。
言い換えると、
「速度」は「1秒あたりの位置の変化量」
ともいえるね。

さて、「加速度」は速度の変化量を表すんだ。これは決まり事だから覚えよう。

「加速度」は「1秒あたりの速度の変化量」
なんだ。

「加速度」の単位は何だろう?
「速度」を考えてみよう。「速度」は「1秒あたりの位置の変化量」だよね。
式で書くと、

速度=(変化後の位置-変化前の位置(m))/変化に要した時間(s)
だから、単位は(m/s)だね。

「速さ=移動した距離/移動に要した時間」っていう覚え方もあるよね。
さっきの「速度=(変化後の位置-変化前の位置)/変化に要した時間」と見た目は違うけど、書いていることは同じだよ。
「移動した距離」は「移動前の位置と移動後の位置との差」と同じだからね。
「移動前の位置と移動後の位置との差」って書いた理由は、「加速度」と「速度」と「位置」を考えるときにわかりやすいからなんだ。 次に加速度について考えよう。

加速度の単位はなんだろう。
「加速度」は「1秒あたりの速度の変化量」だったよね。
式で書くと、

加速度=(「変化後の速度-変化前の速度」m)/変化に要した時間(s)
だね。気が付いたかな?速度を考えたときの式と同じ構成だね。「位置」が「速度」に変わっただけだね。
さて、加速度は、速度の変化量(m/s)を要した時間(s)で割っているよね。だから(m/s2)だね。
m を s で割ってさらに s で割るから、m 割る sの二乗、つまり(m/s2)だね。

たとえば、はじめ速度が 0 m/s で、2秒後に 10m/s になったときの加速度を考えてみよう。

加速度=(変化後の速度-変化前の速度)/変化に要した時間
   =(10-0)/2
   = 5(m/s2
だね。



さて、「等加速度直線運動」に戻ろう。「等加速度直線運動」ってどんな運動だろう。
「等・・・」っていうのは、「一定」っていうときによく使うんだ。
「等速直線運動」の場合は、「等速=速度が一定」ってことなんだね。
今回は「等加速度」だから、「等加速度=加速度が一定」ってことなんだね。

さっきの下図で「等加速度直線運動」はどれになるかな。



縦軸が速度で、横軸が時間だよ。
そう、赤色の線が速度が一定で増えているから「等加速度直線運動」だね。

加速度が一定っていうことは、速度が一定の大きさで増え続ける(または減り続ける)んだ。
なぜなら、加速度は、1秒あたりの速度の変化量だからだね。

下記を考えてみよう。

止まっている車がある。
車が、加速度 3m/s2で、等加速度直線運動したとき、発車してから10秒後の速度はいくらになるでしょうか。
さあ、考えてみよう。

加速度=(変化後の速度-変化前の速度)/変化に要した時間
だったよね。
はじめ車は止まっているから、「変化前の速度」は 0(m/s)だね。
10秒後を考えるから、「変化に要した時間」は 10(s)だね。
「加速度」は 3(m/s)だね。
これらを代入すると、
加速度=(変化後の速度-変化前の速度)/変化に要した時間
3   =(変化後の速度-0)/10
これを計算すると、
変化後の速度=3 × 10
      =30(m/s2
だから、
10秒後の速度は 30(m/s)
だね。

「等加速度直線運動」を式で書いてみよう。
「等加速度」って名前がついている運動だから、まずは加速度の式を考えてみよう。
「等加速度直線運動」は加速度が時間によらず、常に同じ加速度の運動だったよね。
だから、式で書くと、

加速度=C(m/s2
だね。ここで、Cは「ある実数」とするよ。

例えば、C=3 のときを考えよう。
このときは、加速度=3(m/s2) になるね。
加速度は1秒あたりの速度の変化量だったよね。
この場合は、速度が1秒あたり 3(m/s)変化するよね。
つまり1秒後には、速度が 3(m/s)だけ増えるんだね。

次に、例えば、C=0 を考えよう。
このときは、加速度=0(m/s2) になるね。
この場合は、速度が1秒あたり 0(m/s)変化するよね。
つまり、速度は変化しないんだ。
そう、加速度が 0(m/s2)のときは「等速直線運動」なんだね。

次に、例えば、C=-2 のような負の値を考えよう。
このときは、加速度=-2(m/s2) になるね。
この場合は、速度が1秒あたり -2(m/s)変化するよね。
つまり1秒後には、速度が -2(m/s)だけ増えるんだね。
言い換えると、1秒後には、速度が負の方向に 2(m/s)だけ増えるんだね。
例えば、右方向を正の方向とすると、速度が正の値の時は右方向に進むけど、速度が負のときは、左方向に進むんだ。右方向が正の方向だから、左方向が負の方向だね。
上方向を正の方向と考えたときは、速度が正のときは上方向に進んで、速度が負の値のときは下方向に進むよね。

次に、速度を式で書いてみよう。
速度は時間とともに変わるよね。速度以外も、加速度や位置も時間とともに変わるよね。
だから、速度を考えるときは、今の時間を基準に考えるんだ。今の時間を 0秒後として考えてみよう。
まずは、0秒後の速度を考えよう。0秒後の速度を「v0」としよう。
そうすると、0秒後の速度を式で書くと、

速度=v0
だね。
では、今からt秒後の速度を考えてみよう。
ここで、加速度を「a」と書くことにしよう。
速度は1秒あたり加速度の大きさだけ変わるから、1秒後はaだけ増えるよね。
2秒後は a×2 増えるよね。
3秒後は a×3 増えるよね。
t秒後は a×t 増えるよね。
だから、t秒後の速度を式で書くと、
速度=v0+at
になるね。

説明はここでおわりだよ。

ページのトップへ戻る